しょうけら




しょうけら

鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれているこの妖怪・しょうけらには何の説明も書かれていない。
こちらを見ると体が真っ黒で鬼のような姿をしている。指は3本で鋭い爪を持っている。
そして何より、家の天窓らしき所からじっと中の様子を伺っている、または監視しているようにも見える。

京極夏彦著「塗仏の宴」や多田克己著「百鬼解読」によるとこのしょうけら、「庚申信仰」と関わりがあるとされている。
「庚申信仰」とは、暦の十干十二支の組み合わせで、六十日に一度巡ってくる庚申(かのえさる)の日には「庚申待ち」といって、一晩中徹夜して眠らず、夜篭りをして身を慎み、庚申様を拝んだり、種種の禁忌を守る信仰行事である。

その夜に庚申待ちをせずに寝てしまうと、ショウケラという鬼が病気や災いを齎し、その人の寿命を縮めてしまうと信じられた。江戸時代からこれを避ける呪歌があり、

「ショウケラは、わたとてまたか我宿へ、ねぬぞねたかぞねたかぞねぬば」
あるいは
「ショウキラや、ねるやさるや我床に、ねたれどねへて、ねへてねたれと」
などと唱えると無事であるとされた。

このしょうけらについてはまだまだ説があるようなので、色々調べてみると面白いかもしれない。