安井金比羅宮



京都・東山安井。祇園の町並みを眺めながら歩いて行くとその姿は突然現れる。「悪縁を断ち切り、良縁を結ぶ」ことで有名な安井金比羅宮である。

地元の人々からは「安井の金比羅さん」として親しまれているこの場所は、「第38代天智天皇(てんちてんのう)の御代(668〜671)に藤原鎌足(ふじわらのかまたり)が一堂を創建し、紫色の藤を植え藤寺と号して、家門の隆昌と子孫の長久を祈ったことに始まる。(安井金比羅宮HPより一部抜粋)」
何と「鵺退治」で有名な源頼政公もご祭神として祀られているのだ。この「鵺退治」についてはまた違う機会にご紹介したいと思う

T・絵馬達                              U・縁切り縁結び石
       

T・鳥居を潜るとまず目に入るのが夥しい数の絵馬。
絵馬というのはその昔「馬は神様の乗り物」と考えられていて、大きな神社では奉納された馬を飼う建物が境内にあったそうだ。しかし経済的事情等でこの「生馬」が土馬・木馬→板立馬→板絵と変化していって絵馬が発生したと謂われている。さて、ここの金比羅宮では奉納されている絵馬に様々な「縁切り祈願」の願い事が書かれている。上の写真のようにそんな願いが書かれている絵馬を読んでいる人がやたら多かった。人の不幸が好きな人っているよね(苦笑)
縁切りが別に男女だけではない。酒、タバコ、賭け事、病気や怪我などの悪縁を断ち切るご利益もある。ただほとんどは前者の「男女」関係が多いと思う。実際、その手の願い事が多かったし。読んだら逆に呪われそうな内容のものもあったし…(汗)

U・ここの見所はこの「縁切り縁結び石」だ。
ぱっと見ると白いけむくじゃらの妖怪に見えなくも無いが、この白いのは「お札」である。そして元々は「石」なのだ。
このお札に願を書き、写真左下に少しだけ見える穴(ここが表側らしい)の下を願い事を唱えながら潜り悪縁を絶ち、さらに裏側の穴を潜って良縁を結ぶ。その後は先ほどのお札をこの石に貼り付けて祈願する。という物。全国各地から様々な縁切りをしにここを訪れこの石を潜るというのをやっていくうちにどんどんそれは巨大化していっているという。
ちなみに七樹も潜ってみたのだが、人が一人ようやく入れる小さな穴。この穴に神様の御力が流れているようだ。
七樹の願も叶えられる日がくるといいんだけどねえ(苦笑)

V・絵馬館前
      


V・絵馬館
安井金比羅宮のもう一つの見所は「絵馬館」である。
500円の入館料を払えば中を覗く事が出来る。この絵馬館の前にも様々な絵馬が飾られていた。
「怪」(角川書店刊)で取り上げられていたのだが、時代が古いもの、ユニークなものと色々あるようだ。
時間があれば訪れて見たい。


雑記

★ちなみに今回行った金比羅さん、七樹は八坂神社のある通りを真っ直ぐ歩き某信号を右に曲がって行ったのだが、進むにつれて増え続ける「ホテル街」にちょっとびつくり(笑)成程、奥さんと旦那の縁が切れるようにという願が成就した時に休憩に使ったりするのかな。っていうのは考えすぎだろうか…。縁切り縁結び石の側には近くのホテルが奉納した灯籠(名前入り)があった。何だか皮肉なもんである。



安井金比羅宮
add.京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70