鵺大明神と鵺池


二条城裏手。NHKの前にある「二条公園」にそれはある。
京都では結構名高い「鵺(ぬえ)」伝説が残る地の一つである。

平家物語によると、平安時代末期、天皇(近衛天皇)の住む御所・清涼殿に夜毎出没し、天皇を悩ませた鵺がいた。それを当時妖怪退治の第一人者であった源頼政が、山鳥の尾で作った尖り矢で射殺したという。そして天皇から、その鵺退治の褒美に獅子王という刀を貰賜した。という伝説が残っている。


 

二条公園。
中に入ると地元の人の憩いの場となっている。
緑や水があって綺麗な公園。


  

左・鵺池前から。右・鵺池横から撮影。


 

上・鵺池全体 鵺池の前には「鵺の伝説」についての説明が書かれたものがある。(右)

 
鵺池の真ん中に佇む柳の木と鵺の碑。




 


鵺大明神前の鳥居は昭和の頃に建てられた物。 鳥居の隣にひっそりと佇むのが下の「鵺の碑」
鵺池のほうにある碑が元祖らしい。



鵺とは実は「トラツグミ」という鳥の別名。
トラツグミは夜に「ヒョウヒョウ」と不気味に鳴くことから、夜に鳴く鳥という事で「鵺」と着いたかどうかは定かではないが(苦笑)
昔の京都は今のように電灯もなく真っ暗だったに違いない。そこへ夜な夜な真っ暗な闇から「ヒョウヒョウ」という不気味な鳴き声がすれば当時の人々は「鵺だ」「妖怪だ」と恐怖に戦いたんでしょう。
そして、トラツグミは滅多に人前に姿を現さないといわれています。
それが夜であれば、トラツグミの姿も分からない人が「胴体が狸。四肢が虎。頭が猿で、尻尾が蛇」という「妖怪・鵺」の形を創造し、語り継がれ、今では歌舞伎や浄瑠璃に伝説として残っているのでしょう。


ちなみに、

 

これがトラツグミ。思いっきり人前に姿を現している…(笑)しかも昼間…。
しかしながら、トラツグミも数が減っているらしくとても残念。
一度、その声を聞いてみたいものです。